最近、よく耳にする「筋膜はがし」というフレーズ。
体の痛みやコリを解消する方法として話題になっています。
しかし、実際には筋膜は「はがせません」。
筋膜はとても強固な組織で、筋肉や臓器、骨を包み込みながら支える役割を持っているので「はがす」大事なのは筋膜が「すべる」ことなんですねことは不可能なんです。
大事なのは筋膜が「すべる」こと!
本記事では、なぜ筋膜は「はがす」ことができないのかを解説し、筋膜の滑りを改善することで痛みやコリを軽減する具体的な方法をご紹介します。
筋膜とは?はがすのではなく滑りが鍵になる理由
筋膜は、筋肉や内臓、骨などを包み込む組織で、全身にネットワークのように張り巡らされています。
筋膜の主な機能は、体の各部分を支え、保護し、滑らかな動きを助けることです。
筋膜は一枚のシート状のものではなく、層状に重なり合い体の動きに合わせて各層が互いに滑ることで、私たちはスムーズに体を動かせます。
これが重要!
ここで重要なのは、「滑り」が筋膜の健康にとって決定的な役割を果たしているということです。
筋膜の滑りが悪くなると、筋膜どうしが「くっついて」しまい、動きが制限されたり、痛みやコリを引き起こしたりします。
筋膜はがしの誤解:強固な組織を「はがす」ことは不可能
筋膜はその構造上、とても強固で簡単にはがれるものではありません。
筋膜は、コラーゲンやエラスチンなどの強力な繊維が組み合わさってできており、外的な力で無理やり「はがす」ことは不可能です。
そもそも、筋膜を無理やりはがすような施術やマッサージがあれば、体に深刻なダメージを与えてしまう可能性が高いでしょう。
実際、筋膜の問題は「はがれていないから」起こるのではなく、むしろ筋膜の「滑り」が悪くなっていることが原因です。
体の動きをスムーズにするためには、層と層の間が滑らかに動くことが重要です。
この滑りが損なわれることでいろんな問題が起こるよ!
筋膜の滑りが悪くなるとどうなる?しびれや痛みの原因にも
筋膜の滑りが低下することで、さまざまな不調が体に現れます。
具体的にどんな症状が出るのか説明します!
筋膜が硬くなるメカニズム
そもそも筋膜が硬くなる原因の一つに、体を同じ姿勢で長時間保つことや運動不足が挙げられます。
デスクワークなどで座りっぱなしになると、特定の筋肉や筋膜に負担がかかり続け、筋膜の柔軟性が失われていきます。
その結果、筋膜の滑りが悪くなり、層がくっついたような状態になります。
逆に使いすぎても筋膜は硬くなります。
使いすぎても、使わなさすぎても硬くなるってわがままだよね
また、過去の怪我や手術などで筋膜が損傷を受けると、筋膜に炎症が起きこれも滑りを妨げる原因となります。
こういった昔の問題が今の症状を引き起こしてることが多いんです!
筋膜の滑りが悪いと起こる不調
筋膜の滑りが悪くなると、具体的には以下のような不調が起こりやすくなります。
- 痛み: 筋膜には痛みを感じるセンサーが筋肉の10倍含まれています。これがさまざまな身体の痛みを引き起こします。
- コリ感: 筋膜の間には血管が多く通っています。そのため筋膜の動きが悪くなるとコリ感として感じやすくなります。
マッサージで筋肉を緩めても繰り返すのは筋膜に問題がありそう
- 関節の可動域の制限: 筋膜が滑らかに動かないと、関節の動きが制限され体全体の動作に影響が出ます。これにより、スポーツパフォーマンスの低下や日常生活での不便さを感じることがあります。
ストレッチよりも筋膜を滑らせた方が柔らかくなることも多いよ
筋膜の滑りを取り戻すには?
じゃあ筋膜の滑りを出すにはどうしたらいいのか?
筋膜の滑りを取り戻し硬さや痛みを軽減するためには、いくつかの方法があります!
定期的なストレッチ
筋膜の柔軟性を保つためには、毎日のストレッチが重要です。
特に、硬くなりやすい肩や腰、骨盤まわりの筋膜を伸ばすことが筋膜の滑りを取り戻すのに大事。
マッサージや筋膜リリース
セルフマッサージや筋膜リリースを行うことで、筋膜の滑りを改善することができます。
フォームローラーやテニスボールを使って、硬くなった部分をゆっくりほぐすことで、筋膜の柔軟性が回復します。
体を動かす習慣を取り入れる
運動不足も筋膜の硬さを引き起こす原因です。
日常的にウォーキングや軽い筋トレを行い、筋肉を動かすことで、筋膜の滑りが改善され、硬さや痛みを予防できます。
まとめ
筋膜は「はがす」ものではなく、その「滑り」を維持・改善することが重要です。
滑りが低下すると、筋膜が硬くなり、痛みやコリの原因になります。
ストレッチや筋膜リリースを取り入れて、筋膜の柔軟性を保つことが、体の調子を整えるための鍵となります。
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