筋膜は、筋肉をよりスムーズに動かすために、私たちの体にとって欠かせないものです。筋膜がきちんと機能していることで、私たちは活発に体を動かすことができます。
それほど大事な存在である筋膜ですが、ここにねじれやコリが生じると全身にさまざまな影響が出ます。
筋膜のねじれとコリを改善するために、「筋膜リリース」の施術を行うことも多いですが、実は一般的に知られている筋膜リリースのほとんどは、単なるストレッチやトレーニングではないでしょうか?
今回は筋膜のねじれとコリが起こる原因と、自宅でできる筋膜リリースをご紹介しながら、本当の筋膜リリースとは何か?をご説明します。
筋膜のねじれとコリ
最近は「筋膜リリース」という言葉も耳にすることが多くなりましたね。筋膜リリースは筋膜にねじれや異常が起きている場合に行う施術です。
この筋膜のねじれは誰にも起こりうるもので、日々の姿勢や年齢によって症状を感じます。
- バッグはいつも同じ側にかけている
- 足を組む癖がある
- 長時間首を突き出した状態でパソコンに向き合っている
などといった体勢が続くと、使っている筋肉の周りにある深在筋膜が癒着したり変形することがあります。
癒着や変形によって、筋膜にはシワができ、硬くなっていきます。この状態になってしまった筋膜はすぐに収縮を始めてしまい、筋肉が圧迫されて体が動かしにくくなり、コリや痛みを感じるようになります。
筋膜のねじれやコリ、というとあまりピンとこないかもしれませんが、日常生活に潜んでいるさまざまな原因を見てみると、実は筋膜にねじれやコリを生じていることが多いのです。
そして、痛みやコリが出ているのにそのまま放置していると、ますます筋肉は固まっていき、体を動かしにくくなります。
悪化する前に、筋膜のねじれやコリには対処していかないといけません。
筋膜のねじれやコリによって起きる症状
筋膜のねじれとコリは、普段の癖や体の動かし方によって引き起こされます。
知らず知らずのうちに筋膜が硬くなってしまっている人も多いですが、実際に筋膜にトラブルが起きているとき、どのような症状が現れるのでしょうか?
最も多いのは、次の2つです。
- 肩こり
- 腰痛
筋膜のねじれやコリの代表的な症状として挙げられるのが、肩こりです。
肩こりの症状を抱えている現代人は多く、日々のデスクワークやスマホのある生活などから肩こりで悩む人がこれからも増えていくことでしょう。
肩こりというと肩が張って痛い、硬くなってしまっている、腕が思うように上げたり下げたりできない、肩から首、頭まで痛いことがある・・・といったように、肩こり1つとっても症状はさまざまです。
続いて、年齢を重ねてくるなかで多くの人が腰痛を感じるようになりますよね。
この腰痛も、筋膜のねじれやコリが関係していると言われています。
「立ったり座ったりするのもつらい」
「腰をかがめるようにして歩いている」
「動くことすらつらい」
というように、腰痛の症状も人によってそれぞれです。
腰痛は悪化すると日常生活が困難になるので、原因を追求して早めに対処してください。
姿勢の悪さや運動不足によって、さらに腰痛を悪化させてしまうケースもあります。
腰痛にも原因がいろいろあり、その1つに筋膜が関係している可能性があるということを知り、日常生活を見直す必要があります。
ただし、ストレッチやマッサージをしてもなかなか改善しないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
それは筋膜のねじれやコリを改善するために、筋膜リリースを施す人は多いものの、それが本当の筋膜リリースではないケースがあるからです。
筋膜のねじれやコリを改善する方法
筋膜のねじれやコリによって、肩こりや腰痛といった現代人が抱えがちな症状が引き起こされます。実際に自分の体で感じていると毎日の生活もままならなくなることがあるので、早めの対処や、未然に防ぐことが大切です。
そこで、筋膜のねじれやコリを改善する方法をご紹介しましょう。
- 全身のコリにおすすめの筋膜リリース
- タオルを使った筋膜リリース
全身のコリにおすすめの筋膜リリース
全身のコリに効果がある筋膜リリースです。
体が硬直してしまっている人も、挑戦してみると気分がすっきりするのでおすすめです。
- 足を肩幅くらいに開いて立ち、右腕を頭上に、左腕は腰の後ろへ持ってくる。この時、両肘は90度に曲げること。
- 両方の肩甲骨を後ろから見て反時計回りに回すようにして、腕を動かす。その後、20秒キープする。
- 右足を左足の前で交差し、体を左に倒していく。このまま20秒キープ。
- 左肩を鼻に近づけ、20秒キープする。
- 反対側も同様に行う。
この手順を1セットとして、1日3セットを目標にしてみましょう。慣れてきてもう少し回数が増やせそうであれば、キープする時間を長めに取ってみてください。
実際にやってみると、肩や肩甲骨、腰のあたりが伸びてとても気持ちがいいですよ。
デスクワークの合間にやってみると、コリ固まってしまった部位をほぐすことができます。
タオルを使った筋膜リリース
筋膜のコリをほぐして肩こりや腰痛を改善するには、タオルを使って行う簡単な筋膜リリースもおすすめです。
まずは、以前流行した「骨盤ダイエット」で使われた流行ったタオルポールを作ってください。
タオルをくるくると巻いてポールのようにしたものを、背中に敷いてくるくると動かします。
ゆっくりと気持ちがいいと感じる程度で、動かすのがポイントです。縦だけでなく、横や斜めにも動かしてみると、普段ほぐせない部分もほぐすことができます。
タオルポールは1つ作っておくと、リラックスしている時間に利用できるのでおすすめです。
本当の筋膜リリースとは?
普段感じている頑固な肩こりや腰痛は、もしかしたら筋膜にトラブルが起きているかもしれません。
筋膜のねじれやコリは、日常生活での過ごし方も大きく関係しています。本当に筋膜や筋膜リリースを理解するためには、単なるストレッチやトレーニングを行うだけでは難しいでしょう。
今回ご紹介した「自宅でできる」筋膜リリースも、ワンポイントだけ行うことは、あまりおすすめしません。
あくまで全身に施術を行い、カラダの中から変えていくのが本当の筋膜リリースです。
もしご不明な点がありましたら、ぜひプロの専門家に、気軽にお問い合わせくださいね。カラダの悩みを一緒に解消していきましょう。